杉藤園(すぎとうえん) · Agriculture
静岡・水見色から、
幻の一葉を。
静岡市葵区・水見色(みずみいろ)の茶畑で、地元発祥で一度は途絶えかけた品種 「摩利支(まりし)」を、農薬を使わずに育てている。棚田・水田・農地の再生と地域再生を見据えた事業だが、 今はまだ、家族規模の茶畑ひとつから。大きな看板を掲げる前に、まず自分たちの区画を丁寧に。
なぜ粉末にするのか
急須で淹れるお茶は、湯に出たものを飲んで、葉は捨てる。粉末は違う。葉そのものを、丸ごと摂る。
そうなると、何が問題になるかが変わる。葉に付いていたものは、そのまま体に入る。 だから農薬を使っていないことの意味が、淹れて飲むお茶より大きい。 そして葉が抱えているもの——緑茶のあの渋みをつくっているカテキンも—— 捨てずに、そのまま一杯の中に残る。
葉ごと食べるのなら、その葉は綺麗であるべきだ、という単純な話。
摩利支という品種
摩利支は、水見色発祥のお茶。地元の山森理佐雄氏・美好氏親子が「やえほ」の自然交雑実生から選抜し、 1996年に品種登録した。渋みとカフェインが少なく、旨味(アミノ酸)が多いのが特徴で、 専門茶舗で完売が出るほどの評価を受けていた。育成者の死去とともに一時は途絶えかけたが、 現在は地元有志の手でごく少量だけ復活栽培されている「幻のお茶」。 水見色でこの品種を受け継ぐ茶畑のひとつが、私たちの茶園。
農薬不使用
本業が多忙で手をかけられる時間が限られる中、結果としてここ数年は農薬を使わずに栽培を続けている。化学肥料は使用しているため「自然栽培」とは呼ばず、「栽培期間中 農薬不使用」と表記している。
2026年の収穫
摩利支 35kg、やぶきた 200kg。摩利支を育てているのは一区画だけで、どれだけ手をかけても少量にしかならない。まだ家族規模の、小さな収穫。
粉末にしてみた(2026年9月)
収穫した茶葉を手挽きのミルで粉末にして飲んでみた。湯呑み一杯にティースプーン半分ほど。市販の粉末緑茶と比べると、渋みがあって「お茶らしい」。一方で茎は硬く、家庭用のミルでは挽き切れなかった。
これから
茎ごと挽ける機械を選び直すこと、仕上げ加工のルートを確保すること。来年の一番茶では、一部の畝に覆いをかけて育てる試みも考えている。覆えば渋みは和らぎ、色はもっと濃くなる。
品種と商品ライン(構想)
まだ販売は始まっていない。加工・輸出のテストを進めながら、この2ラインを軸に組み立てていく。
本山茶ライン
静岡・本山茶の産地に根ざした「やぶきた」を、葉ごと粉末にしたもの。農薬を使っていないから、葉をそのまま摂れる。カテキンを含め、葉が持っているものを捨てずに取り込む。日々の習慣として飲む人のためのライン。
摩利支ライン
水見色発祥、一度は途絶えかけた希少品種。渋みが少なく旨味が豊か。畑は一区画きりで、どれだけ育てても少量にしかならない。こちらは味と希少性を先に置いた高級ライン。
水見色
用意ができたら、お知らせします
初回は摩利支・やぶきたとも、ごく少量です。数が限られるため、 待っていただいている方へ個別にご連絡します。
どちらでも構いません。アプリが開くので、そのまま送信していただければ登録完了です。
収穫も、加工も、まだ手探り。派手なストーリーにする前に、まずは目の前の畑と、 一杯のお茶に向き合う。栽培・加工の記録は、進み次第ここに追記していく。